2024年度 開成中学校の入試分析

本日より、男女御三家中学校の入試分析を掲載します。
まずは成城学園前校、吉祥寺校が担当した開成中学校の分析です。

算数

大問数は3題だが、大問1が小問集合ながらそれぞれボリュームがあり、全体の問題量は例年どおりと考えてよい。今年度は問題の本質をとらえないと時間がかかってしまう問題が多い。大問3は特に難しかった。平易だった昨年度や一昨年度と比べると難化している。

大問1(1)では、2024=253×8から、式の最後は×8と見抜ける。253を作るには「23×11」よりも「252+1」のほうが使う数字の個数が少ない。
大問1(3)はエルカミノの筑駒算数講座でほぼ同じ問題を扱っていた。

大問2の場合の数は、(2)でワンステップずつ進めた作業を(3)で初めから最後まで通して行う構成で、誘導に乗って解き進める開成らしい問題だった。

大問3の空間図形は難問で良問。不十分な展開図から切断に使用する点を推測し、切り口を再現し、展開図を完成させる。複数の切断面を考える問題は過去にも出題されている。過去問に取り組む中で、切断の考え方を確認していきたい。


国語

今年度も昨年度と同様に二題構成で、漢字の書き取り5問・書き抜き1問・記述6問。
記述は大問一が字数制限あり、大問二は字数制限なしの自由記述だった。

大問一の論説文(佐々木正人『時速250㎞のシャトルが見える』)は、心理学者の筆者が障害者の例を挙げ、スポーツの醍醐味は厳しい環境の中で人間が新たな能力を発揮するところにあると述べている。
大問二(千早茜『鵺の森』)は童話「みにくいアヒルの子」を現代風にアレンジした文章だった。周りと違うことは成長につながるという開成が好む成長物語である。

2問とも、困難な時代だからこそ多様性をふまえた新しい生き方を見出してほしいというメッセージが感じられる。
論説文は「具体的に」など問題の条件に注意して本文中から見つけた該当部分をもとに過不足なく文章を作り上げること。物語文は授業で扱う「事情+心情」を意識して文章を組み立て、本文にある出来事とそこから導きだせるふさわしい心情を表す言葉、うっとうしい・不安・ねたましいなどつかって書けることが合否の分岐点になる。


理科

すべての問題が、奇をてらわない解きやすい内容であった。表やグラフの読み取り問題は、例年に比べて少なかった。

化学分野は、実験内容とその結果について整理することができれば全問正解が可能な難度である。また、昨年8月31日に観測されたスーパーブルームーンについての出題があり、リード文どおりに考えていくこと、指示どおりに計算してみることができれば高得点が狙える内容であった。

生物分野は、昆虫の幼虫を探すにはどんなところを調べたらよいか、という問題が出された。テキストの学習に加えて、昆虫を実際に育てた経験がある受験生、日ごろから図鑑や動画などをよく見ていた受験生は有利であった。小学生時代のさまざまな経験を大事にしたい。


社会

歴史分野は易化し、ほとんど差がつかなかったと思われる。公民分野は例年どおり基礎的な問題が出題されたが、地理分野はやや難化した。

地理分野では表やグラフなどの資料問題が多く出題された。
大問[1]問5貨物・旅客の輸送量変化のグラフは交通・通信分野では頻出。1950年代の鉄道需要から、モータリゼーションの進展による輸送手段の変化の読み解きがカギとなる。
大問[2]リード文から都道府県名を特定し、各県を比較した資料を読み解く。県名と半島・盆地などの地名ひとつずつを結びつける知識が必須となる。こういった基礎知識を完成させることは開成合格に不可欠であり、基礎知識がそのまま問われることもあれば、資料分析に活かすことも求められる。
エルカミノでも小4から白地図に取り組んでいるが、このような日々の地道な授業テキストの復習や過去問演習の積み重ねが合格への第一歩といえる。