2023年度 武蔵中学校の入試分析

本日は、吉祥寺校・成城学園前校が担当した武蔵中学校の分析を掲載します。

算数

今年度は大問4の解答欄が1枚加わって、問題用紙が5枚になった。
問題構成も速さ・条件整理・割合の分野の出題がなく、例年の構成と異なった印象があるものの、問題をよく読んで丁寧に取り組む方針はこれまでと変わらなかった。

大問1は2題からなる小問集合。
ひとつは2023年にちなんで、約数と倍数の問題。そして場合分けの問題。
これは丁寧に取り組まないとなかなか得点できない。

大問2はニュートン算とつるかめ算の融合問題。
大問3は平面図形の出題。
定石通り正方形で囲むと合同な図形が現れるが、慣れてないとなかなか気づかない。

大問4も例題と(1)をしっかりと読み込み、丁寧に調べていけば決して難しくはないが、この問題の出来で、差がついたと思われる。

武蔵の算数はきちんと調べ上げていくことが定番で、今年度はその取り組みをしっかりおこなったかどうかで合否が分かれたかもしれない。

 

国語

今年度は論説文であった。
「利他」と「利己」とは真逆の観念ではなく、企業のSDGsの活動のように、動機に「利己」を含む「利他」もあり、「利他」と「利己」は複雑な関係にある。
そのため、ある特定の行為が「利他的」なのかどうかは、受け取り手が事後的に判断するしかない、という内容である。

本文は平易な文章で読みやすく、問題も本文に即して具体的に記述していくものが多かった。
例えば問三の問題では、「利他的押し付け」と「頭木さんにとっての恐怖」がそれぞれ具体的にはどういうことなのかを本文に基づいて書いていけばよい。
そのため、武蔵の過去問で記述の練習を積んできた受験生にとっては解きやすかったと思われる。
漢字も例年と同じく、難しいものは出題されていない。
国語での点差はほとんどつかなかっただろう。

 

理科

大問1は、地球からの距離が光の速さで430年もかかる北極星は肉眼で見えるのに、海の中は数千メートルの海の底すら見ることができない。
光を使う観測では海は宇宙よりはるかに難しい、という問題。昨年度なくなった記述問題が復活し、1ページだった問題が2ページに増えた。
難しくはないが、記述の能力が求められた。

大問2
生物分野で、ドングリと動物に関する食物連鎖の問題。
グラフの読み取り自体は簡単だが、グラフからは読み取れない関係を考えなければならない。
例年は2ページだが、大問1が増えたため1ページに減った。
しかし、記述の量は昨年度より増加した。

大問3
おみやげ問題。カラビナ(開閉できる部品がついた金属リング)を使う。
観察しながら仕組みを考察させる。
図を使わずに文章だけで開閉の仕組みを説明するので、記述の力も重要である。

 

社会

江戸時代における上下水道の整備の問題点や衛生面への影響をはじめとし、近年都市部に人口が集中することにより拡大し続けている公共サービスの課題点を考える問題であった。
資料は江戸時代の河川と上水についての図が用いられ、問2「江戸時代に上水や井戸水が利用しにくかった理由」を問う問題は、指示どおりに「上水」「井戸水」を分けて答える必要がある。
同様に問7「都市部の人口集中により経済的・社会的負担が発生している事例」を問う問題も、「経済的負担」「社会的負担」それぞれを説明する必要がある。

基礎知識だけではなく、分野に関わらず考える力を試される形式は例年どおりだが、問題文の指示を正しく読み取り、それに沿った答え方の練習を十分に積むことも大切だ。