年賀状問題 解答発表!

みなさんこんにちは。
冬休みが終わり、エルカミノでは1/4(月)から通常授業を開始しています。
今年も生徒の学習指導に職員一同全力を尽くしていきます!

さて、本日は年賀状問題の解答を発表します。

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【問題】
令和2年から令和3年になって最初の問題です。

12=2×2×3、36=2×2×3×3のように、2と3のかけ算でできる数字を考えます。
ただし、8=2×2×2のように、2だけ・3だけのかけ算でできる数字は考えません。
このような数字の中で、次の範囲に入る数字はいくつあるか答えてください。

A 小学1~2年生向け
2万以上3万以下

B 小学3~4年生向け
200万以上300万以下

C 小学5年生以上向け
2億以上3億以下

 

正解はこちら

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【解答】A 5個 B 7個 C 10個

【解説】
今回の問題は、たくさん数字を用意してかけあわせていけば、見つけられる問題でした。
しかし、これが2と3ではなく、例えば2021=43×47ですから、43と47をかけあわせて、43兆以上47兆以下の数字は何個できるか答えなさい、だと調べるのが大変です。
実は今回の問題は「2だけたくさんかけ算した数・3だけたくさんかけ算した数」を調べれば答えが求められます。
本当に算数が得意になりたいと思う人は、正解と上のヒントをもとにもう少し考えてみましょう。
頭の中でずっと考え続けてから解説を見ることで、衝撃と感動が得られます。
そしてそれが算数のセンスを育てます。

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では詳しい解説です。
以下の解説では2をn回かけた数を2のn乗
と表します。

数え方のコツは「100未満のどんな数でも×2を繰り返していくと、必ず100以上200未満の数が1回だけ登場する」という事実を利用することです。試してみましょう。

2倍する作業を→で表すと

1→2→4→8→16→32→64→128→256…

3→6→12→24→48→96→192→384…

5→10→20→40→80→160→320…

7→14→28→56→112→224…

9→18→36→72→144→288…

13→26→52→104→208…

どれも100以上200未満の数字がちょうど1回だけ登場します。
これは200=100×2であることが理由です。
2倍して200以上になるためには、元の数は必ず100以上でなければなりません。
また、100~199の数は、2倍すれば必ず200以上になります。
つまり、2倍を繰り返した場合「100~199になることなく200以上になること」も「2回100~199になること」もどちらもありません。このため、100以上200未満の数が必ず1回登場します。

上記と同様に考えると、

「1万より小さい2のn乗を3倍していくと、1万以上3万未満の数字が必ず1つ作れる」

「1万より小さい3のn乗を2倍していくと、1万以上2万未満の数字が必ず1つ作れる」

この二つのことが導かれます。
(問題では3万以下となっていますが、ちょうど3万は作れないので、今回は考える必要はありません)

1万より小さい2のn乗は、2の1乗=2から2の13乗=8192 までの13個→
2のn乗に3をかけ算してできる1万以上3万未満の数字も13個

1万より小さい3のn乗は、3の1乗=3から3の8乗=6561 までの8個→
3のn乗に2をかけ算してできる1万以上2万未満の数字も8個

よって2万以上3万未満の数字は13-8=5個と求められます。

解説はA問題を扱いましたが、B・C問題も発想は同じです。
個数を数えるとき、条件に合う数字を一つ一つ探すことも大切ですが、それ以上に大切なのは視点を変化させることです。
「何に着目すれば、答えが求まるのか」と考えることは、数学オリンピックでも要求される大切な発想です。
この解き方に少しでも感動してくれると、エルカミノとしてはうれしいです。

来年の年賀状問題も楽しみに待っていてくださいね。
それではまたお会いしましょう。