2020年度 開成中学の入試問題分析

みなさんこんにちは。
今回は開成中学の入試問題分析です。
こちらは豊洲校の教務職員が担当いたしました。

算数

昨年に引き続き、計算問題や一行問題のない大問4題の構成となった。
大問2題には小問がなく、問題数がとても少なかった。

大問[1]は旅人算を利用した動きのパターンをすべて考える。
大問[2]は点の移動と速さの問題が続いた。
この大問2題はしっかり正解したい。

大問[3]の6種類の硬貨で代金を支払う場合の数の問題は、一の位に必要な枚数と十の位に必要な枚数に分けて考えるとよい。
⑦までは正解したい。

大問[4] くぼんだ立体内に光がどう入るかを展開図に表すことは難しく、ほとんどの受験生が解けなかったと思われる。

国語

大問[1]が物語文、大問[2]が論説文。
今年も去年に続き、すべて短い記述問題で選択肢問題はない。

大問[1]の物語文は、開成が好んで出題してきた成長物語ではなく、女子二人の複雑な心情を追うものだった。
女子の友情の建前と本音という開成受験者には目新しい文章だったが、設問は心情や言いかえであり、いつも通りに解いていくことが求められた。

大問[2]の論説文は、故事の蛍雪の功に関して考察している。最後の設問で、日中に蛍を集めたり雪が降るか心配したりしている登場人物の滑稽さを書ききりたい。

理科

大問[1]は太陽の動き、大問[3]は溶解度の問題。
いずれも平易でほぼ得点可能。

大問[2]は手回し発電機を配線する問題。
解き進める程複雑になる回路だが、前文・直前の問題がヒントになっているので答えやすい。
逆に途中で解釈を間違えるとそこから最後まで全部間違えることになる。

大問[4]は葉の成長に関する問題で、素早くグラフを読み取り描画しなければならない。
昨年もグラフの問題が出題されている。

社会

大問[1]の公民分野は基本的知識を問う問題。
問3(2)は一票の格差の原理を問う良問。

大問[2]の歴史分野も基本問題なので全問正解を狙いたい。

大問[3]は地理分野。
今年は資料を分析する問題が少なく、問5は地形図に書き込ませる新しい傾向の問題になるなど、多少出題形式が変わった。
難度は高くはないが、問題数が多いので、今年もスピード勝負となった。

 以上、開成中学の分析でした。