2020年度 武蔵中学の入試問題分析

みなさんこんにちは。
本日より、男女御三家中学の入試問題分析を掲載していきます。
まずは、武蔵中学です。
こちらは成城学園前校の教務職員が分析を担当いたしました。

算数

大問[1]はウォーミングアップ的な基本問題。(1)は定番の周期算 (2)は売り上げの差に注目できれば解けるつるかめ算。

大問[2]は平面図形の比の問題。(1)が(2)を解くために補助線を引くヒントになっている。

大問[3]は「あれこれ考えずに進んで手を動かせるか」、「丹念な場合分けができるか」といった姿勢が正答を導くカギであった問題。慣れも必要。

大問[4]は時事的な算数の問題。去年の選挙のときに「按分(あんぶん)」に関心をもてた人は、問題の意味がさらりと理解できて時間短縮できたのではないだろうか。重複している按分をきちんと整理できた人は問題なく解けただろう。

国語

今年度は昨年度に引き続き、二年連続で物語文であった。

母を亡くした悲しみから、好きだった本も読まなくなり、転校先の学校でもみんなと馴染もうとしなかった主人公の少年が、どこか懐かしさを感じさせてくれる正体不明の少女との出会いをきっかけに、再び本を読み始め、クラスの仲間との距離感も縮まっていくという内容であった。

主人公の変化を問う問1や問7の問題で、変化前、変化のきっかけ、そして変化後を解答できたかどうかが、国語の点差につながるだろう。

理科

大問[1]は、身のまわりの現象を理科的に分類する問題。大問[2]は、生物の呼吸の仕組みについての出題だった。“お持ち帰り問題”の大問[3]は、リング状磁石2つのつき方を説明する問題だった。

大問[1]の共通点の記述は、詳しくなりすぎないようにさらっと書く。

大問[2]は順番に解いていけば、最後の記述は書きやすい。

大問[3]はその場で試行錯誤をさせ、観察力と記述力を要求する例年どおりの出題である。

社会

川から受ける恩恵と被害、治水のあり方を問う問題であった。
出題の本文で、「当時」「以前と比べると」「新たに生じてきている」「変化する環境の中で」といったことばが使われており、変化前と変化後、変化するきっかけなどの治水のあり方を対比して考えさせる問題であり、公共事業の課題といった問題にもつながる。
ハザードマップのような時事問題についての知識や活用法など、普段の授業を通して身につけてほしい。

国の歳出総額に占める治水関係費の割合の変化を読み取らせる問題(下図)では、公共事業を通して、国の政策やお金の使い方などに対する課題について説明させる、「考える力」が求められている。

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以上、武蔵中学の入試分析でした。
次回も引き続き入試分析の記事を掲載いたします。